生活・DIY

悪くなってしまった肝臓をランニングで治す – 実践中

投稿日:2021年12月1日 更新日:

とある肝臓の難病になってしまい十数年。無症状の部類のようなので何とか普通に生活しております。しかしながら肝機能に関する血液検査数値は目を覆いたくなるのほどの悪い数値です。治療法も特効薬もないので徐々に悪くなっていくのをただ見守ることしかできない状況はとても辛いものです。
食事療法はあらゆるものを試しましたが特に効果がありませんでした。血液検査数値が過去最悪を更新し続け、いよいよ覚悟を決めなければならないと思った時に偶発的に数値を改善することができました。複数の要因があると思われるため確証はありませんが過去の経験を踏まえて考えたところ、どうやら「ランニング(ジョギング)」が効いたようです。以下、その経過を記したいと思います。

※同じ病名でも個人差があります。人によっては全く違う症状で苦しんでいる事もあります。従いまして、あえて具体的な病名は明かさずに述べていきたいと思います。参考にされる際は自己責任でお願い致します。

これまでの経緯

これまでの経緯の概要です。

2008年夏ごろ発症。
2009年始め。診断確定。
2009~2013年。肝機能数値、基準値以上(軽度)
2014~2015年。肝機能数値、 正常になる。
2016~2017年。 肝機能数値、基準値以上(軽度) 、調子を崩し始める。
2017年5月。 肝機能数値、基準値以上(中度)
2017年6月。 肝機能数値、基準値以上(軽度)、仕事を中断して一時的に回復できた。
2017年7月~。 肝機能数値、基準値以上(中度)、再び徐々に悪くなっていった。
2018~2019年。 肝機能数値、基準値以上(重度) 、右肩上がり、検査のたびに悪くなっていった。
2020年3月。 肝機能数値、 最悪。仕事を全て中断し、改善方法を探す。
2020年12月。 肝機能数値、2割ほど改善した。しかし基準値以上(重度)
2021年。 肝機能数値、基準値以上(重度~中度)。少しずつではあるが改善を続けている。
2022年2月。 肝機能数値、 基準値以上(中度)。再び悪化傾向へ。
2022年2~11月。 肝機能数値、 基準値以上(中度)。 ほぼキープ。

改善に転じた直前の生活パターン

まず、対外的な仕事を一切中断しました。寝られなくなるほどストレスだったので最後の納品と同時に辞めました。

そして良かれと思って続けていた運動療法であるウエイトトレーニングも辞めました。筋肉が肝臓を助けるという話を聞いたので筋トレをしていましたが、肝臓が傷んでいる状態で高重量の筋トレをするのは逆効果のようでした。傷ついた筋繊維を修復する力が肝臓には残っていないのでただ疲労とダメージのみが残り病状をより悪化させているように感じました。

とは言っても筋量は維持したいところです。そこで極力負荷の小さく、翌日に激しい筋肉痛にはならない程度のトレーニングを代わりにやるようにしました。具体的には、「腕立て」、「懸垂」、「自重のスクワット」などです。疲労が残らない回数から始めて、徐々に回数を増やしていくのが良いと思われます。

ウエイトトレーニングを辞めたおかげで日々の生活に余力が生まれてきました。自然と外へ出る気になり、午前と午後に1回ずつ散歩ができるようになりました。この一日に2回、日光を浴びる習慣が良かったと思います。これで病状が改善するという事は無いですが、日光を浴びる事で自律神経が整い、新たな療法を試す準備ができると考えています。

ランニングへの道のりは結構長かった

すぐにランニングを始められた訳ではありません。無症状とは言え、肝臓は確実に傷んでいたようで日々の生活に体力的な余裕が全くありませんでした。事務手続きなどで必要に駆られて外出をした翌日は疲労で寝込んでしまう事は良くありました。また、精神的な問題で外出自体がストレスにもなり、外へ出るのがしんどくもありました。近所の人の目が気になり平日の仕事時間に外を出歩く事ができませんでした。上記の散歩は続けていましたが、常に人の目を気にして精神的には大変でした。

考え方を変え、無理に外で運動をする必要はないとしました。筋肉疲労を最小限にとどめた運動、すなわち有酸素運動を室内でする事を考えました。脂肪燃焼系運動で効果が高いといわれるバーピーという運動をやってみました。これが呼吸器系に対してとんでもない辛さでした。10回程度から開始して3か月かけて100回できるようにしました。負荷を下げるために1分間に12回というペースを守るようにしました。これで約8分間、心拍数120~150の有酸素運動が行えます。結果的にこれは血液検査数値改善に効いたと思います。もちろん劇的に良くなりましませんが、最悪の絵結果から少しずつの改善に転じたきっかけになったと思います。

一つの成功が精神も変えました。良くなるためなら何でもやってやろうという気になりました。バーピーは効果がありましたが100回をやるようになってから行き詰まりも感じていました。軍隊のようにこれを数10分やるのは難しいと感じました。そこで外へ出て運動をする決心をしました。よく考えてみたら外に出たところで「誰も私のことなどきにしていない」のです。

朝一番で公園に行き、階段昇降などをやるようにしました。これも効果的でした。また少しだけ血液検査結果が改善しました。しかしここで私は失敗をしました。若い頃のトレーニング癖で階段昇降の強度を上げてしまい、股関節を故障してしまったのです。ここで重要なことを学びました。若い頃の感覚のままでは中年となった現在の状態で運動療法を試すことはできません。関節等を痛めてしまっては運動自体ができなくなってしまうからです。初心に帰り、負荷の小さい運動へ変更しました。そう、ここでやっとランニングにたどり着けたのです。ウエイトトレーニングを辞めてから半年以上が経過していました。

軽いジョギングから開始

ランニングを始めようとした時に、全く走れない体になっていたことに気づきました。バーピーのおかげで足腰の筋力には問題がありませんでしたが、すぐに息が切れ、心拍数が上がってしまうのです。バーピーの時も終盤は死にそうなくらい息が上がっていました。これは容易ではないと感じました。長い年月をかけて心肺機能が相当弱ってしまったようです。

また、走るとすぐに膝の外側の靭帯が痛くなってしまいました。私はかなりのO脚であることが原因のようです。これの対処法は膝にサポーターをするぐらいしかありませんでした。しかしあまり効果はなくすぐに痛くなってしまいます。そこで20歩ほど走ったら20歩ウォーキングを入れる方式にしました。ウォーキングでは足が痛くなる事は無いので頻繁に回復時間を与えることで靭帯を痛めることを回避しました。

軽いジョギングを続けていくことで足が慣れてきたのか、徐々に走りの歩数を増やしても足に痛みを感じなくなってきました。3か月ほどかけて50歩ラン、20歩ウォーキングで5キロほどをこなせるようになりました。これを週2回のペースで続けました。また少しだけ血液検査数値が改善しました。3か月ごとの定期健診で改善が3回ほど続きました。ランニングに確実な手ごたえを感じました。しかもこの頃の走るペースは最遅といって良いでしょう。公園で走った時にはほぼ全員に抜かれ、私が誰かを追い抜くことはありませんでした。別に私の運動能力が低いわけではありません。10代の頃は水泳で全国大会に何度も出ていたので基礎的な体力は人並み以上にあるはずです。しかし、現在は公園内でランニングをしている人の中で一番遅いのです。膨大な伸びしろを感じました。私が持っている運動能力を普通に出せる状態になったら、肝臓も正常になるのでは?と本気で考えるようになりました。

一筋縄ではいかない悪戦苦闘の日々

ここでまた私は失敗をします。あれほど負荷を上げてはいけないと学んだのにまたやってしまうのです。100mを走って100m歩く方式を試しました。そして走りのタイムをどんどん上げていこうとしたのです。

最初にタイムを計って走った時に愕然としました。100mを30秒で走ったのですが気を抜くと転んでしまうほど不安定でした。そして尋常ではないほどの息切れです。しかし、無謀にもどんどんタイムを上げていき5セット目で20秒を切ることを目標にしました。現在の体の状態で100mを20秒で走るととんでもない事になります。まず走っている最中は一瞬たりとも気が抜けません。いつ転んでもおかしくないほど不安定なのです。そして走り終わったときは非常に危険なほど心拍数が上がります。脈が戻らないのでは?という不安の中、必死に呼吸をして何とか収まるのを待ちました。家に帰ってもしばらく呼吸がつらい状態が続くほど大きな負荷が体にかかってしまいました。これは危険だと感じて100mのタイムを追うのはやめました。2週間ほどですぐに諦めて方法を変えたのは良かったと思います。

例え全員に抜かれようがゆっくりとしたペースで走ることにしました。連続に走ったほうが効果が高いと感じ、2か月ほどをかけて1kmを連続で走れるようにしました。1kmを走れるようになると無理をしなくても自然とタイムが上がっていきました。それでも相変わらずほぼ全員に抜かれますが1kmを5分で走れるようになりました。しかし日によっては走り終わった後、しばらく呼吸が戻らずに辛いことがありました。1km5分は負荷が少し大きいと感じましたが翌日寝込むことはなかったで週2回ほどのペースで続けました。また少しだけ血液検査数値が改善しました。 肝臓の壊れ具合を示す数値が正常内になりました。もう一息です。

挑戦の日々(2021/12)

経験的に負荷はできるだけ小さいほうが良いことが分かってきました。そこで連続で走る距離を1kmから2kmに増やし、ペースは落とすことにしました。1km6分ペースなら呼吸が酷く辛くなる事はありません。これで現在、週3回ペースで挑戦中です。週3回はかなりギリギリを攻めたペースと感じています。寝込むことがあるようならば週2回に減らそうと思っています。改善を信じて現在、奮闘中です。

またも悪化傾向へ(2022/2)

ずっと改善が続いていたのにまさかの悪化でした。しかしながら原因を考えてみるとまた同じ過ちを犯してしまっていました。そう、やりすぎていたのです。週3ペースにしてからしばらくは慎重に軽めに走っていたので寝込む事はありませんでした。しかし、体が慣れだすと自然と2kmのタイムを追うようになっていきました。どんどんペースを上げていき、最終的には2kmを10分くらいになっていました。そして昼食の後、疲労感から少し昼寝をするようになってしまいました。タイムを上げていくにつれて昼寝の時間も増えていき、最終的には毎日1時間以上寝るようになってしまっていたと思います。
こうなってしまうともうジョギングによる改善効果はなくなります。むしろ積み重なる疲労と昼寝による生活習慣の悪化により、結果として肝機能数値も悪化へと転じたと思われます。
さらに、かなりハードな運動を行っているという理由で食事量も増えていました。冬場という事もあり夕食後に必ずみかんを食べていました。主治医からも果物の摂りすぎには注意しろとよく言われていましたが、運動しているから良いという勝手な判断をしていました。この食事量の増加はきっちりと数値的に表れており、フィブロスキャンでの肝臓の脂肪値が200位になっていました。
この悪化を受けて、生活習慣を次のように改めました。

・昼寝が必要なほどの疲労をためる運動はしない。ジョギングは歩くよりは速い程度の極力ゆっくりで。
・無駄に食べない。果物はしばらくやめる。

キープ(2022/5)

生活習慣を改めた事により、肝機能数値の悪化は止まり、ほぼキープとなった。
食事制限により肝臓の脂肪値は大きく改善された。脂肪値が下がると硬さの値も下がる。

キープ(2022/8)

徹底した食事制限により、肝機能数値はキープ。そして肝臓脂肪値はとうとう計測できる下限値の100となった。肝臓の硬さの値もずっと2ケタ台だったのに9.8となり、ついに安全圏に入れる事ができた。これは1つの大きな成果と言えます。
この結果を受けて再度、攻めに転じる事にしました。食事制限は必須。空腹に耐えるのはきついですが肝臓脂肪と硬さを改善できるという確固とした成果があるので実行する事ができます。問題は、運動強度です。この半年間、とても軽いジョギングしかしませんでした。これでは肝機能数値の改善は見られないようです。直感的に「呼吸が辛くなるほどの強度は必要なのではないか?」と思い、次の3か月で試してみる事にしました。

改善と悪化(2022/11)

直近の3か月でやった事は

・厳しめの食事制限(運動が行えるだけ摂取し、無駄には一切食べない。)
・ジョギングの中に必ずハードな時間を設ける。

食事に関しては空腹感を感じても体重が減っていなければ追加で食べないようにしました。
ジョギングでは徐々にペースを上げていき途中で限界近くまで速いペースで走るようにしました。全力で走る時間は2,3分程度です。

結果、肝機能数値のうち、ALPとγGTPは改善、AST、ALTは悪化となりました。肝臓脂肪、硬さはともに少し悪化でした。
ALPとγGTPの改善は狙ったとおりの結果が出ました。もとがスポーツ選手の体であるので運動による改善を見込むにはやはりかなりの強度が必要なようです。
しかし、なぜそれ以外は悪化してしまったのでしょうか?生活習慣を振り返った時、ハッと気が付きました。そうです、以前あれほどやってはいけないと言っていた昼寝をいつの間にかするようになっていたのです。しかし以前のように1時間も寝るのではなく、20~40分程度なので大丈夫であろうと判断していたのです。しかも昼食のあとすぐに寝ていたのも良くなかったかもしれません。
結果として、一般的な生活からかけ離れた事をしてはいけないという事がわかってきました。私に限って言えば、この病気から抜け出るための漠然とした方針は、世の一般的な健康な人々と同じ生活をするということではないでしょうか。どうも「病気である」という先入観から 特別な生活スタイルを容認しがちであると気が付きました。

以上を踏まえて、次の3か月の方針です。

・昼寝厳禁(朝の寝坊も厳禁)。どうしても辛いなら運動量を減らす。
・食事制限継続。空腹感にだまされない。体重が減っていなければ大丈夫。
・上記を守れる範囲で高強度の有酸素運動。

最初の2つの項目は悪化させないためのルール。これを完璧に守っても改善されることはありません。しかしこれを破ると容易に悪化へと転じてしまうのです。従って私はこれらを守るしかありません。
3つ目の項目は現在考えられる唯一の改善方法です。しかし先の2つが守れないと効果はありません。従って現状では運動強度を少し下げなくてはなりません。今まで積み上げてきたものをいったん降ろすのは残念ですが仕方がありません。おそらくまだ、私の体には「慣れる」という機能が残っているはずです。少し落とした運動強度で、昼寝厳禁、食事制限ありで1,2週間こなすことができれば、きっと少しの余裕が生まれるはずです。そしたら少しだけ運動強度を上げられるでしょう。非常に難しいコントロールが必要であり、失敗するかもしれません。しかし他に方法はありません。自分を信じて3か月頑張ろうと思います。

-生活・DIY

執筆者:

関連記事

神経因性による頻尿の改善方法を考える

初老ではありますがまだ高齢者ではないのに頻尿で困っています。1時間持ちません。酷い時は30分で漏れそうになります。トイレに行きたくなったらどうしようと思うことがさらに頻尿を悪化させているように感じます …

もりもり山菜そば。自宅でたくさん食べたい人におすすめ。

会社勤めをしていた時は昼食によくそば屋に行き山菜そばを食べていました。次点としてはきつねやとろろを食べていましたが中年となった今、山菜が体に一番良さそうです。一時期、自炊でずっと「とろろそば」を食べて …

ケルヒャー初めての購入 K2クラシック

屋外のタイル掃除用にケルヒャーを購入しました。これまではデッキブラシでこすってホースで流すという作業をしていましたが体力的にきつい上にあまり綺麗になっていませんでした。Amazonレビューで調査したと …

ワークマンのランニングシューズ|足腰の故障を防ぐクッション性を求めて

中年になると運動不足になりがちです。私は一年ほど前から運動不足解消のために軽いランニングや階段上り下りなどをやり始めました。しかしながら若い頃の感覚のままで運動をすると思わぬ故障をまねきます。道路での …

レンガを三角柱にカットしてみた -レンガタガネがお勧め

DIYで花壇などを作ろうとした時に三角柱のレンガがあったら良いのにと思う事があると思います。しかし私が調べた限り三角柱のレンガは通販やホームセンターなどに売っておらず、普通の四角レンガをカットするしか …

スポンサーリンク